第74章 防衛戦再び⑫
「なに?」
俺の方向に向かって、レーザー弾が飛んできた。ボケ―としていたら、直撃だ。
完全には回避できなかった。ガン! ガン! レーザー弾2発が、幹の皮でも削り取るかのように、俺の機体の一部を抉った。
「どういうことだ? たまたま流れ弾が当たったのか?」
弾が飛んできた方向に眼をやった。
弾が飛んできた方角には、戦闘機は1機もいなかった。弾が飛んできた方向にいるのは母艦だけだ。またレーザー弾が襲ってきた。俺は咄嗟にレバーを引いて、どうにか被弾を逃れた。だが一息つく間もなく、レーザー弾が執拗に襲ってきた。
「まさか、俺の姿が見えているのか?」
執拗に飛んでくるレーザー弾をかわし続けながら、思わず声を飛ばした。
撃ってくる方向は同じところからだ。間違いない! 母艦の連中に俺の戦闘機が見えている。
「レオニード! みんな! あの艦に俺たちの姿が見えているぞ! おまえたちは、この場をすぐに離れろ」
声を張り上げて指示した。
だが、奴らに戦闘機が見えているのであれば、人間の操縦力では逃げ切るのは困難だ。 戦闘機は次々と撃破されていった。
残った新型戦闘機は、俺とレオニードの2機だけになった。
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