第74章 防衛戦再び⑧
激しい交戦が始まると、周りは双方の戦闘機の残骸だらけになっていた。残骸の数は、時間が経つにつれ人間の戦闘機のほうが多くなり始めていた。
「このままでは、全滅するのは時間の問題だ!」
キアヌが1機を破壊すると、声を飛ばしてきた。
その声は通信機を通じて、ガガーリンの耳にも届いていた。周りでは、1機、2機と、部下の戦闘機が撃破されていった。その中にあってガガーリンは奮闘していたが、いずれ自身もやられるのは確実だと悟っていた。
ガガーリンは操縦桿の右側に眼をやった。そこには、家族の写真が貼られていた。妻と幼い二人の娘たち。
「すまない。パパは帰れそうにない」
笑みを浮かべる3人に、独り言を零した。叶うならば、もう一度3人を思いっ切り抱擁したかった。
「みんな、生き延びてくれ」
そう言い残すと、覚悟を決め、激しい攻撃を掻い潜りながら空母のゲートに向かった。
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