第74章 防衛戦再び⑤

「右の空母は俺たちが叩く。アリーナは左の空母を頼む」

 キアヌが強い口調で声を飛ばしてきた。


「わかったわ。任せて」

 キアヌに答えると、アリーナはガガーリンたちと共に突っ込み、攻撃を開始した。


 絶望的な戦力差では、玉砕覚悟で戦うしかない。アリーナたちに退却という文字は無いのだ。頼みの綱は宇宙機雷だ。機雷である程度、封じ込むことができれば勝機があるかもしれない。


「奴らの戦闘機が出てきたぞ!」

 だが戦闘機の数は、想定外の多さだった。


 ガイガーの戦闘機がスズメバチの大群のように襲い掛かってきた。双方のレーザー弾が飛び交い、激しい宇宙戦が始まった。撃破された戦闘機の金属の破片が四方に飛び散り、その一部は火星の大気圏に落ちていった。


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