第74章 防衛戦再び④

 ゾルダーは、ザイオンの艦隊に信号を送り続けている部下の真横に立ち、火星の周りを見渡した。


「いったいどういうことだ? ザイオンはどこだ?」


「ゾルダー様、レーダーに映っていたのは、戦闘機の残骸です」

 部下が報告すると、大画面に残骸の映像を映し出した。


「これは。ザイオンの戦闘機じゃないか」

 ゾルダーは画面に眼をやりながら、猛獣のような声を発した。


「まさか? あのザイオンが、人間どもに、やられたということか?」

 ゾルダーは信じられないという顔で、声をあげた。


「ゾルダー様、何者かが攻撃してきました!」

 ゾルダーはその声に驚きもせず、前方を映し出した画像に眼を移した。


「人間どもか。面白い。戦闘機を発信させろ」

 見下すような声で命令した。


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