第73章 まだ死ぬわけにはいかねえ①
「レオニードさん、急いで酸素ボンベを持ってきて!」
アリーナは指示すると、ザイオンの首なしの体を邪魔だ、とばかりに突き放し、宮島の傍に駆け寄った。
「しっかりして。こ! これは?」
声をかけて宮島の半身を起こそうとしたが、右肩の異変に気付いた。
アリーナは宮島の衣服を急いで脱がし、半裸にした。
胸と肩の間が、赤黒くなっていた。
「アリーナさん、酸素ボンベを持ってきました」
駆けつけてきたレオニードが酸素マスクを渡そうとしてきた。
「レオニードさん、腰の短銃を貸してください」
アリーナは強張った顔で、マスクではなく銃を催促した。
「え? あ、はい」
レオニードは意味が分からないという顔をして短銃を手渡した。
アリーナは銃を受け取ると、銃口を宮島の胸部に向けた。それを眼にしたレオニード、部下3人もひどく驚いた顔になった。
「アリーナさん、やめてください」
レオニードの制止する声を合図のようにして、アリーナは引き金を引いた。
ブシュ! 弾は赤黒くなった部分を捉え、鮮血が飛んだ。
「うぐ」気を失っていた宮島は撃たれた衝撃で、ブルンと体を小さく震わせた後、死んだように動かなくなった。
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