第72章 老人変態VS怪物⑨
今度は、アリーナとザイオンの凄まじいバトルが始まった。始めは胸に傷を負っているザイオンが劣勢だったが次第に優勢になった。アリーナの技にいつもの切れがない。何か焦っているような戦い方だ。ドーム内の酸素が無くなる前にザイオンを早く倒して、俺を救いたいのだろうと思った。
彼女に加勢をしようとしたが、思った以上に体はダメージを受けていて、俺はすぐには立ち上がれなかった。
アリーナは防戦一方になってきた。やはり最強の女戦士のアリーナといえども、素手で倒せる相手ではなかった。なにせ相手は、ガイガーにとって代わって、帝王になる野心がある怪物だ。
「おまえと俺様では、パワーが違う。俺様と戦って殺されるのは名誉だぞ」
ザイオンが冷笑すると、アリーナの首を絞めにかかった。
それを眼にした俺は、残された力を振り絞り、銃を拾った。
「おい! その女から手を放せ。それ以上、危害を加えたら、ハチの巣にしてやるぞ」
俺はふらつき気味に立ちながら、ザイオンに怒声を浴びせた。
「ほう~、こいつはおまえの女か? さあ撃ってみろ! 俺様は、おまえの眼を見れば、どこを狙っているか瞬時にわかる」
振り向いたザイオンが吠えてきた。
「そうか」
ブシュ! 俺は一言発すると、レーザー銃をぶっ放した。
弾はザイオンの首を破壊し、ザイオンの頭はゴロンと地面に転がった。
「ま、まさか。おまえは、胸を……狙っていたはずだ」
転がった頭は、断末魔の声を漏らした。
「残念だったな。俺の射撃の腕は、脳とは一体じゃないんだ」
俺は声を投げ返すと、頭に銃口を向けた。
ブシュ! ブシュ! 続けて撃った弾がようやく頭に当たってくれて、ザイオンは虫の息となった。
俺は、それを見届けると、その場に崩れるようにどっと倒れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます