第72章 老人変態VS怪物⑥

 二人のバトルは時間が経つにつれ、体格の差が影響しだしていた。


「あなたたちは、ここで待機していて。わたしが宮島さんを援護する」

 アリーナはモニターを険しい眼で見たまま、毅然とした口調で指示した。


「いや、我々も突入します」

 女性一人で行かせるわけにはいかないという眼で、レオニードが応じた。


「みんな入れば犠牲者が増えるわ。あなたたちは、わたしと宮島さんが倒されたときに、ここから一斉に攻撃して」

 アリーナは押し切るように、すぐに声を返した。


 レオニードを制止したのは、犠牲者を増やしたくないのと、流れ弾でドームに穴が開く心配があったからだ。穴が開けば酸素を失うことになる。宮島は戦うどころか、生きてはいられない。


「わかりました。でも、あなたを死なせたりはしない。いざとなったら護射撃をします。我々も覚悟の上で戦っています」

 レオニードが指揮官らしく、強い口調で声を返してきた。


「わかったわ。攻撃するときはドームに穴を開けないよう注意して。穴が開いたら、宮島さんは死ぬことになるわ」

 そう言い残すと、アリーナは中に突入した。


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