第72章 老人変態VS怪物⑤
宮島とザイオンのバトルをアリーナが見学に、いや駆け付けた後も、ほぼ互角の戦いを続けていた。
「驚いた。この俺様と対等に戦える奴が、火星にいるとは。だがきさまは俺様に勝てん」
蹴り飛ばされて後方に退いたザイオンが吠えると、またすぐに襲い掛かってきた。
バシバシ! 殴る蹴るの眼にも止まらぬ速さで二人は激しいバトルを続けた。なぜか? 俺の体はダメージが強くなるほど新たなパワーが増していた。まるで二人がかりで戦っているかのような、奇妙な感覚を覚えた。いや主に戦っているのは、体内の何者かだ。その者の指令による左足の強烈な蹴りを受けて、ザイオンがガクッと腰を落としかけ、後方に退いた。だが、追い討ちはかけなかった。いやかけられなかった。誰かはピンピンだが、俺の体もさすがに相当なダメージを受けていたからだ。
それと歳を取ると、普通は体が頭についていかないものだが、俺の場合は真逆だ。体の動きに、俺の頭がついていかない。
金魚の糞のように、頭が体に振り回されて、ついて言っているだけのありさまだ。
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