第72章 老人変態VS怪物③
ザイオンの言葉に、いまにも怒りが大爆発しそうだった。
「おまえ、いまなんて言った?」
俺は必死に防御しながら訊き返した。
「喰われる恐怖で聞こえなかったか? 子供を味見したと言ったんだよ。まずくてすぐに吐き出したけどな」
「きさま~!!」
俺はありたっけの力を使って、ザイオンを投げ飛ばした。
「俺はなあ。子供に危害を加える奴は、相手が誰であろうと、絶対に許さねえんだよ! きさまは、絶対に生かしておかない!」
即座に立ち上がった俺は拳を握りしめ、怒りの形相で睨みつけた。
「ほう、おもしろい。やれるならやってみろ」
腰を上げたザイオンが、また見下すように吠えてきた。
今度は俺のほうから攻撃を仕掛けた。バシバシ! ザイオンと五分に渡り合った。いや怒り心頭の心が、俺の戦闘力を増幅させ、戦う度に力が増していた。バシバシ! 次々とザイオンを殴り返し、蹴り飛ばした。ドスン! 蹴り飛ばされたザイオンは、驚いた顔で俺の顔を見ていた。
「きさま! いったい何者だ!」
よろけるように立ち上がったザイオンが、驚いた顔で声を飛ばしてきた。
「俺か? この通り、人間だよ」
眼に憎悪の炎を燃やし、怒声を投げつけた。
「いや違う。やっぱり、おまえは変態だ」
ザイオンは元の獲物を狩るような眼になった。
また二人の凄まじいバトルが始まった。バシバシ! ドスン! 殴る蹴る、火星の大地が揺れた。
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