第72章 老人変態VS怪物①

「わかった。わたしが応援にいく」

 地上が気になっていたアリーナは本部に連絡を入れ、戦闘の状況を聞いていた。


「アリーナさん、よろしくお願いします。ここには我々の帰りを待っている家族もいる」

 ガガーリンがみんなの想いを代弁して声をあげてきた。


「俺が行こうか?」

 キアヌが口を挟んできた。


 本部との交信は全機が聞けるようになっている。


「いえ、あなたは、ここのリーダーよ。地上を守っても、ここを突破されたら、何の意味もないわ」

 アリーナは声を返すと、地表に眼をやった。


 宮島を追った相手は本部の説明からして、墜落した母艦の司令官に違いないと思った。だとしたら、勝てる相手ではない。


「生きていて。いま助けにいくわ」

 戦闘機の機首を下げ、大気圏に突入した。


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