第71章 ザイオンの逆襲⑪
襲い掛かってくるザイオンの顔を間近で見て、改めて驚いた。ワニとサメを合体させたような奇怪な姿をしていた。
突進に即座に反応して発砲し続けた。すばしっこい奴だ! 俺の発砲よりも早く、右左と動いて迫ってきた。レーザー弾がザイオンの左肩に当たった。なんだ、俺の射撃の腕は上がっているじゃないか。いや至近距離だから、当たったにすぎないが。
だがザイオンは撃たれても一切ひるまず、火星の薄い空気を切り裂くように拳を振ってきた。咄嗟に銃で防御した。拳の破壊力は凄まじかった。長方形の段ボール箱が半分から潰れるように、銃が真ん中からくの字にひん曲がった。俺は次の攻撃を反射的に逃れると逆にくの字になった銃身で叩き返し、相手が面食らった隙に、また脱兎のように逃げた。
「まて!!」
その声に、誰が待つか、アホ! と心で叫びながら、懸命に走った。逃げ足なら、俺が速いはずだ。
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