第71章 ザイオンの逆襲⑦

「なんて軟弱な人間どもなんだ。まったく歯応えがない」

 ザイオンは防衛隊を見下すと、応戦してくる兵士を殺害していった。弾道が見えているかのように飛んでくる弾を簡単にかわし、兵士たちを蹴散らしていった。


「一人ぐらいは歯応えがある奴はいないのか?」

 嘲る声を飛ばし、また1人殺害した。


「これでは全員をあっさり殺してしまう。下等な人間ども相手に銃を使う必要はないな。1人2秒、1分では60人。素手でも2時間もあれば皆殺しできる。みんな俺の練習台になってもらおうか」

 ザイオンは防衛隊員たちに見せつけるように、わざと銃をその場に捨てた。そして矢のように走ると、二人の兵士を殴り殺した。


「ザイオン様、左の兵士どもは私にお任せください」

 部下も防衛隊を見下すように、自信たっぷりげに声を上げてきた。


 だが部下は、喋っただけだった。人間を殺すどころか、自分の頭が派手に吹っ飛んだ。首なしのまま、しばらく立っていたかと思うと、崩れるように倒れた。


 首なしにした犯人は、前方の兵士たちではなく、後方だった。


「な!?」

 ザイオンは即座に振り返った。



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