第71章 ザイオンの逆襲④

 ブシュ! ブシュ! ロボット兵が撃ってきた。やっべえ! 俺は野良ネズミが逃げるようにして、隣の大きな岩場に逃れた。ドーン! ロボット兵が撃ってきた弾に浣腸岩の頭半分が俺の身代わりとなって破壊された。ブシュ! ブシュ! 獲物を逃すものかと、レーザー弾が転がる地面を抉った。弾は隠れた岩肌も破壊し続けていたが、幸い俺の背丈より大きな岩なので、浣腸岩のようにはならなかった。


 身をかがめながら浣腸岩に眼をやった。指の形が完全になくなっていた。


「悪いな。さっき仕返しすると言ったのは、冗談だったんだぜ。おめえの仇は俺が打ってやる」

 巻き添えに遭っても、非難の声を返せない岩を横目に独り言を零すと、反撃をすぐさま開始した。


 ロボット兵は発砲しながら距離をじりじりと距離を詰めてきた。さすがは戦闘ロボだ。射撃能力は俺より数段上だった。ロボット兵の弾は的確に隠れた岩を破壊し続けていた。一方、俺が撃ったレーザー弾は、1000発撃っても的に当たりそうもないほど、大きく外れていた。このまま銃撃戦を続ければ、殺られるのは確実だ。俺のお粗末な射撃能力を知ったロボット兵は、岩を盾にするのをやめて、発砲しながら近づいてきた。


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