第70章 防衛戦⑬
「嘘だろ!」
神風特攻隊のように味方の戦闘機が、俺の方角に突っ込んできた。
幸い、戦闘機は衝突を直前で回避して遠ざかっていった。
「危ねえじゃなえか」
もう少しで巻き添えを受けて、確実に死ぬところだったぞ。遠ざかる戦闘機に眼をやりながら、胸をなでおろした。
「よし、いまだ!」
気持ちを切り替えると、ゲート口に仕掛けたワイヤーを引っ張り、急いで固定した。
ギギィー! 出撃しようとした戦闘機が、狙い通りワイヤーに引っ掛かった。そのまま構わず振り切ろうとしたとき、後続の戦闘機が玉突きを起こした。
「前方不注意だぞ。前をちゃんと見ないと」
俺は独り言を零し、腰に手を伸ばした。
「ほれ、もう一つお土産だ」
最後に残った手りゅう弾を手にすると、出撃にもたつく戦闘機に投げた。
戦闘機は派手に爆発した。爆風の巻き添えを受けて、宇宙の彼方へと吹き飛ばされないよう艦体にへばりついた。玉突きを引き起こした戦闘機も爆発し、巻き添えを受けた他の戦闘機も被弾して次々と爆発していった。その爆発の凄まじい衝撃で、不沈空母のような艦体は大きくぐらつき、火星の引力に引っ張られ始めた。
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