第70章 防衛戦⑨
「いったいどういうことだ? また迎撃砲の表示が消え続けているぞ! 迎撃隊長はどうした?」
ザイオンは声を荒げた。
「それが、別の敵と応戦しているようです」
「私が退治してきます」
副官のムスリが口を挟んだ。
「任せた。始末してこい」
短く応えると、戦況がかんばしくない外に、怒りの眼をやった。
また被弾して艦内がグラッと揺れた。迎撃砲が半減したことで、攻撃を受けやすくなり被弾するようになっていた。
「なぜだ? なぜ下等な人間ども相手に苦戦している?」
ザイオンは苛立った声を飛ばした。
「どうやら、こちらの攻撃を読んでいるようです」
戦況を分析している部下が報告してきた。
「攻撃を読んでいる? 馬鹿な。下等な人間どもに出来るわけはない」
「それに、どうやら戦っているのは、人間たちだけではないようです」
分析をしていた部下が説明した。
「人間だけではない? なるほどそういうことか。この船外にいるネズミも、ガーピスの手下だろう。それなら合点できる」
ザイオンは歯ぎしりするように口を歪め、拳を握った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます