第70章 防衛戦⑧

 いきなりレーザー弾が降ってきた。一発がヘルメットを少し掠めた。やっべえ! 俺は思わず胸に声を飛ばした。いままでの流れ弾とは明らかに違う。見上げると、1機が狙い撃ちしていているようだった。撃ってきたのは艦体には被害を与えない屠殺用、いや殺人弾だ。また撃ってきた。やはり明らかに俺を狙っていた。弾は体の傍を掠め足下の甲板を抉った。どうにか凶弾をかわし続けたが、このままでは射殺されるのは確実だ。


 すると突然、攻撃がやんだ。俺の動きがあまりにも素早いので、屠札を諦めたのか? いや、攻撃していた戦闘機と俺の相棒が、アリーナが戦っていた。


 1対1なら問題ないが、そこに3機がアリーナを襲ってきた。1対4の激しい攻防を俺はただ指をくわえて見ることしかできなかった。またも俺を守ってくれた彼女に助太刀をしてやれない自分が、すごく歯がゆかった。


 アリーナ、負けるな。必ず勝ってくれ! 俺は祈りながら、次の迎撃砲を目指した。

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