第70章 防衛戦⑤

 アリーナは空母の激しい発砲をかわしながら、援軍を待っていた。


「あいつらの戦闘機が出てくる前に叩くのよ」

 アリーナが応戦しながら、後方からやってきたキアヌたちに声を張り上げた。


 そこに、ガガーリンたち人間の戦隊も飛んできた。左右からザイオンの艦を挟み撃ちにする作戦だ。すぐに、双方の激し撃ち合いの閃光が、静寂な宇宙空間を騒がした。味方の弾の一部は、俺の周りにも飛んできた。下手をすれば、味方の流れ弾の餌食になりそうな激しい戦闘になった。俺は流れ弾に注意を払いながら甲板を目指した。


「ほ~れよっと、土産だ」

 迎撃砲の一つに近づいた俺は、手投げ弾を剛速球の投手になった気分で投げた。迎撃砲までの距離は4~5メートルなので、ノーコンでも問題ない。


 迎撃砲は手投げ弾をキャッチすると、四方八方に派手に吹き飛んだ。その一つが俺の顔に一直線に向かってきた。「おっと危ねえ、破片の串刺しになるところだった」独り言を零しながら、次の標的を目指した。

 甲板から弾き飛ばされないように、スパイダーマンのように蜘蛛の糸、いやワイヤーを艦体に引っ掛けて飛び回り、迎撃砲を次々に破壊していった。

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