第66章 フォボス

 俺とアリーナは、キアヌたち5人とフォボスに降り立ち、ガイガー軍の襲来に備えた。ガガーリンが率いる200機はダイモスにいる。挟み撃ちで、攻撃する作戦だ。


 そこで俺は改めて、火星を眺めた。フォボスからの眺めは最高だった。平和であれば、コーヒーでも飲みながら、ゆっくりと眺めたかった。


「なんだって? それは本当ですか?」

 キアヌが青ざめた顔で、本部にいるマルコフと交信していた。


「みんな聞いてくれ! 戦闘機を積んでいる敵の母艦がもう2隻飛んでくる。やってくるのは40時間後だ」

 ひどく曇った顔でキアヌが説明してきた。


「ということは、50機を倒したとしても、今度は100機が襲ってくるということですか?」

 キアヌの部下、ロメロがひどく驚いた口調で訊いてきた。


「ああ、そういうことだ」

 キアヌは険しい顔で返答していた。


 これまでの厳しい訓練で、なんとか勝率を85%まで上げることができた。だが大きな代償も負った。味方の戦闘機も半分は失うことになる計算だ。

 そこへ100機に襲われたら、勝率はゼロ%。間違いなく全滅する。


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