第62章 死闘⑧
二人の体に強い水圧がかかり始めていた。
「俺と一緒に死んだら、好きな女は救えないぞ。部下は地球を出たばかりだ、俺様を解放して、すぐに向かえば、まだ間に合うかもしれないぞ」
今度は嘲り見下すような口調で声を投げてきた。
「きさま~!」
ゲバラは羽交い絞めしている腕に力を入れた。
「ゲームオーバーだ」
ガイガーが勝ち誇った声を飛ばしてきた。ガイガーの背中からいきなり突き出た3つの鑓鉾のような、鋭利な突起に胸と腹を深く刺された。
「うっ」
これまでの平常心なら防げたものだが、感情を乱したことで防ぐことができなかった。
胸を刺されたゲバラは、ガイガーの背中から手が外れ、そのまま沈んでいった。
「この俺様をここまで苦しめるとは、おまえが2番目に強い奴だったということだ。その敬意を表して、止めはささん。水圧に体を押し潰され、最高の苦痛を味わいながら死んでいけ」
ガイガーは捨て台詞を残し、海面へと消えていった。
それを眼にしたゲバラに、後を追う力は残っていなかった。意識が遠のき、海底の魔手に引きずり込まれるように沈んでいった。
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