第62章 死闘⑥

 指令室はみるみるうちに巨大水槽のようになった。ゲバラは、この隙を逃さなかった。ガイガーの手を払いのけ、水かさが増していく水槽に逃げた。


「逃がさないぞ!」

 ガイガーが吠えると、すぐ後を追ってきた。


 ゲバラの狙い通りだった。水圧のおかげで、ガイガーの動きがはっきりと見えてきた。相手の姿が見えれば戦える。水中戦は、ゲバラの得意とするところだ。それに体の大きなガイガーには、ゲバラ以上に水圧が邪魔になる。


 ガイガーが襲い掛かってきたが、見えれば防御できる。ゲバラは攻撃をかわすと、反撃に出た。水圧を切り裂く殴打と締め技の激しい応酬が続いた。その間も波状攻撃を受けていた旗艦機は浮力を失い、沈没し始めていた。


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