第62章 死闘④
指令室に入ったゲバラは、自分の顔を睨みつけて立っている巨人に、少し面食らった。身長が2メートル30センチを超えていそうなモンスターだった。一方のゲバラの体格は1メートル80センチと、ヒューマノイドの中でも小柄な体格だ。ただし全身筋肉の塊のような体型だ。
「待っていたぞ。擬態しても無駄だ。おまえの姿は丸見えだ」
ガイガーが不敵な笑みを浮かべて吠えてきた。
「そうか。バレているか」
ゲバラは擬態をやめた。
「おまえがゲバラか?」
サメのような眼で睨みつけたまま訊いてきた。
「ああそうだ。あんたはガイガーか?」
銃口を向けたまま、反対に訊き返した。
「ガイガー様と言え。いまからでも俺様にひれ伏したら、許してやってもいいぞ」
ガイガーが見下すように喋ってきた。
「おまえこそ、助けてくださいと、命乞いをでもしたら、考えてやってもいいぞ」
ゲバラは逆に言い返した。
すると、その言葉が気に障ったのか物凄い形相になった。ただでさえも化け物のような顔が、悪魔の化身のようになった。
「その減らず口を引き裂いてやる」
ガイガーが吠えると、突進してきた。
ゲバラはすぐさま引き金を引き続けた。だが撃った先にガイガーはいなかった。ゲバラの指の動作よりも、ガイガーの動きの方がはるかに速かった。巨体なのに眼にも止まらぬ速さでガイガーは動いていた。まるで瞬間移動でもしているかのようだ。
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