第62章 死闘②


 マルコたちが破壊したエンジンルームの先には、明るい空が見えていた。


「あそこから脱出だ!」

 マルコは生き残った西施と共に、爆発でぱっくりと開いた先を目指した。


「くう」

 走りかけたところで、マルコは膝をがっくりと床に落とした。


 マルコは激しい銃撃戦で、右のわき腹を撃たれていた。


「マルコ!」

 西施が傍に駆け寄ってきた。


「俺に構うな。先に行け」

 マルコは腰を落とした姿勢で、周りに眼をやった。


 敵を全員倒した代償は、あまりにも大きかった。仲間もみんな死んでしまった。


「あなたを置いては行けないわ。さあ、一緒に逃げるのよ!」

 西施が叫ぶように声を飛ばすと、すぐにマルコの体を支えた。


「すまん」

 マルコは西施に支えられながら、外を目指した。


 黒煙が立ち込める合間から、青空も見える。だがその美しい空を汚すかのように、空中戦が続いているのも見えた。


「さあ、行くわよ」

 二人は海に向かって飛び降り心中。いや、旗艦機から脱出した。

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