第61章 殺るか殺されるか⑧

 ブッシュ! ブッシュ! という発砲音の数が増した。ヒムラーたちが無差別に放った凶弾で、高さ12メートルほどある天井はハチの巣のようになった。


「なんてすばしっこい奴だ。これでもくらえ!」

 弾が当たらないのに業を煮やしたヒムラーが、怒声を上げなら乱射した。


 ハチの巣だらけになった天井が、がらがらと崩れ落ちてきた。その破片はヒムラーの頭にも降り注いだ。煙が立ち込め、視界を遮った。


 ゲバラはこの機を逃さなかった。すぐさまヒムラーたちの背後の天井にワイヤーを打ち込むと、急降下しながらレーザー弾を連射した。意表をつかれたヒムラーの部下たちは次々と床に転がった。ゲバラはヒムラーたちの背後に着地すると、連射し続けた。


「よし、挟み撃ちだ。前進しろ」

 退いていたキドたちが攻勢に出た。


 前と後ろから挟み撃ちの攻撃を受けて、ヒムラーの部下たちは浮足立った。次々と床に崩れていった。



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