第61章 殺るか殺されるか⑤
「侵入者たちを甘く見たようだな」
ガイガーは氷のような眼で、画面に映る副官のヒムラーを睨みつけた。
「申し訳ありません。私が兵を率いて鎮圧してきます」
ヒムラーは平伏して、怯えたような声で答えてきた。
「つぎはない」
氷の矢で突き刺すように、ガイガーは声を投げつけた。
「はい、わかっております。どうか、お任せください」
カメラに向かって怯えた口調で喋ってきた。それから荒げた声で新たな部下たちを引き連れていった。
「しかし、侵入した連中は何者なんだ?」
ガイガーはモニターに眼をやり、独り言を零した。
「もしかして、シールドを破壊した連中の生き残りでは?」
すぐ背後にいる第1副官のゼウスが口を入れてきた。
「シールドを破壊した連中?」
ガイガーが振り向き、訊き返してきた。
「はい。その後のゲリラ活動も、この連中の仕業でしょう」
「ゲバラという男か?」
ガイガーは画面を見たまま訊き返した。
「はい。おそらくは、ゲバラという男が率いる連中でしょう」
「なるほど。ゲバラはどんな奴なのか会ってみたい。侵入者にゲバラらしき男がいたら、殺害せずに捕らえるよう、ヒムラーに伝えろ」
ゼウスに命令した。
「はい。わかりました」
ヒムラーに連絡を入れるゼウスから、氷の眼を外に移し、口を歪めた。
外の戦況は、がらりと変わっていた。旗艦機からの攻撃を封じられたことで、自軍機が次々と撃ち落とされ、海上の5隻の艦戦も攻撃を受けて炎上し、沈没寸前の状態になっていた。
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