第61章 殺るか殺されるか③

「行くぞ」

 ゲバラたちはまた擬態姿になり、ガイガーがいる指令室を目指した。


「ガイガー様、爆発したエンジン室に侵入者が」

 監視システムを見ていた部下が報告してきた。


「なに侵入者? 数は?」

 ガイガーが少し驚いたような顔で声を飛ばした。


「姿は見えませんが、40人ぐらいかと」

 監視画面の中を探るような顔をしながら報告してきた。


「40人だと?」

 ガイガーが監視システムに眼をやった。


 映像には何も映っていなかったが、センサーが反応しており、通路に誰がいるのは確かだった。


「始末しろ」

 振り返ったガイガーは、並んでいる4人の副官たちに眼をやった。


「私にお任せください」

 副官の1人、ヒムラーが名乗り出た。


「よしわかった。1人は生け捕りにして、ここに連れてこい」

 命令を出すと、ガイガーは外の戦況に眼を移した。


 ヒムラーは退室すると、集まった70人の部下を従えて通路に向かった。


「この艦に侵入するとは、よほど殺されたいようだな。望み通り、殺してやる」

 ガイガーは画面を睨んだまま、不気味な笑みを浮かべた。

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