第60章 連合戦開始④

 ガイガー軍はアラスカを過ぎて北極海に入った。またシベリアに入り戦闘で焼け野原にした大王の支配地域でも見学しながら、首を取りに行くつもりだろう。


 北極海の洋上に出たときが、作戦の開始だ。ゲバラたち旗艦機に侵入する隊員60人は3機にそれぞれ乗り、ガイガー軍の監視網に探知されないよう地面すれすれの低空飛行で後を追った。


「ゲバラ! ガイガーの戦闘機6機がこっちに来ます」

 副操縦士のマーカスが声を張り上げてきた。


「俺たちをたった6機で倒せると思っているようだ。みんな応戦の準備だ」

 ゲバラは大声で命令すると、すぐさまジェットスーツを身に着けた。18人の部下も次々と装着した。スーツは背景の色に擬態できるよう施してある。


「6機が射程内に入ってきた」

 副操縦士が声を飛ばしてきた。


「さあ行くぞ。飛んでいる間は、間違ってもレーザー弾は使うな」

 ゲバラは念を押すように声を張り上げ、先陣を切った。


 その背中に部下たちが続いた。全員が外に飛び出したのを確認すると、機は反転すると囮飛行に切り替えた。6機が獲物を見つけたとばかり発砲してきた。


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