第49章 ガイガー帝国⑧

 大王は総力戦を仕掛けてきたが、シールドを破壊しなければガイガーを倒すことはできない。むしろ戦闘が長引けばシールドの防御力を盾にして、ガイガー軍が今度は勝利するだろう。下手をすれば、大王軍の損害の大きさによっては、ガイガー軍はその勢いで逆に大王の首を取りに行くだろう。


 ガイガーの戦闘機が反撃に出ていった。今度は倍以上の数だ。その後には北極海で眼にした巨大艦船も次々と出撃していった。激しい戦闘が始まった。レーザー弾が飛び交い、空一面が戦場となった。


 今度はシールド内の原野や森林からも、ミサイルが次々と飛んできた。ミサイルは街中に次々と着弾し建物を破壊した。そのミサイルは、ゲバラたちがここに来る前に仕掛けたものだ。大勢の大王軍がシールド内に侵入してきたと思わせるためだ。

 案の定、アリの群れが巣から一斉に出てくるかのように、ロボット兵たちが次々と出てきて、ミサイルが飛んできた方角に発砲を開始した。そこに予想外のことが起きた。尖塔の途中から突き出た場所から、10数体の手下を引き連れた巨人が出てきた。サターンのような風貌の巨人だった。


ゲバラは、その巨人こそがガイガーに間違いないと直感した。アバターではない、本物に間違いない。ここから一直線に飛んで行って、竜司の仇を取りたい思いに強く駆られたが、ここはぐっと我慢した。


 ここからでは、距離がありすぎる。途中、ガイガーの手下に囲まれ返り討ちに遭うのは確実だ。

 ガイガーを倒すためには、プランどおりに行動しなければならない。奴を倒すのはその後だ。

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