第49章 ガイガー帝国⑨
ゲバラは復讐心を滾らせた眼で、尖塔の前に立つ悪魔を睨んでいた。すると、ガイガーが顔を向けてきた。ゲバラは本能的に建物に身を隠した。擬態していても、ガイガーには見破られてしまうと直感したからだ。1秒、2秒、3秒と、息を殺すように隠れ続けた。それから間を置いて、様子を伺った。ガイガーは既にいなかった。ガイガーは安堵した。どうやら気づかれなかったようだ。
「さあ、時間がないわ。行くわよ」
虞美人がリーダーになったかのように、声を飛ばしてきた。
ゲバラたちは急ぎ足で、シールドコントロール室がある棟に侵入した。ここにあるのは予備のコントロール室だ。メインコントロール室の破壊は、楊貴妃の第1グループが実行する手筈になっている。
もう時間がない。ここからは強硬突破だ。ゲバラたちはコントロール室を目指して矢のように走った。そこに予想された通り邪魔が入った。警備のロボットたちだ。不審者侵入を知らせるブザー音を聞いて駆け付けてきたのだ。
すぐさま空気に波動が伝わった。虞美人と西施がロボットたちの攻撃より先に発砲したのだ。撃ったのはレーザー弾ではなく、電磁波パルス弾だった。ロボットたちは次々と床に倒れていった。そしてレーザー弾で頭を打ち抜き、二度と再生できないよう破壊した。さすがに選りすぐりの女モドキの戦士だ。
ゲバラたちは警備のロボットを全員片づけると、コントロール室内に入った。やはり、すんなりとはいかなかった。今度は5メートルほどはありそうな2体の怪物ロボットが、どこからともなく現れた。ゲバラたちは、すぐさま電磁波パルス銃を発砲した。だが怪物ロボットたちには、電磁波パルスはまったく効かなかった。委細構わず腕を振り回し襲い掛かってきた。今度はレーザー弾に切り替えて発砲したが、まったく通用しなかった。やばい奴らが出てきたもんだ。
さすがの女戦士たちも防戦一方になった。
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