第49章 ガイガー帝国①
ゲバラたちを乗せた擬態機は海中を飛び出し、低空飛行でアメリカの西海岸から内陸に向かって飛び続けた。機体は森林や草原に岩や土の色、地面から見上げれば、青空や雲の色に擬態しなからマッハ8で飛び続けた。さらに、機体表面には超高性能のレーダーにも映らない特殊機能が装備されており、ガイガーのレーダー基地の近くを通過しても戦闘機に襲われることはなかった。
「さあ、降りるよ」
口をあげた黒装束の一人が、頭の頭巾を取った。
人間の若い女だ。しかも、東洋系のスタイルのいい美人だ。いや、人間の女そっくりのヒューマノイドだった。
「これに着替えて」
外見は美人でも男のようなぶっきらぼうな口調で指示してきた。
「どうして、これに着替える?」
ゲバラは疑念の眼を向けた。
なにせ、見かけは美女でも、みんな残忍な大王の部下たちだ。何を企んでいるか知れたもんじゃない。
「これを着けたら、わかる」
そう言うと、黒装束たち全員がほぼ同時に被っていた頭巾を取った。驚いた。8人全員とも美女ぞろいの若い女だ。
するといきなり、服を脱いで素っ裸になり着替え始めた。美女たちの全裸ショーを人間の男たちが見たら、さぞかし大興奮しただろ。中には鼻血を出す男もいるかもしれない。もっともゲバラたちには、そんな裸などまったく興味はないが。
その着替えを終えた8人を見て合点した。裸体が完全に見えなくなっていった。見えるのは顔だけだ。彼女たちが身に着けたのは、この機と同じように擬態服だった。なにやらその姿は、あの映画を連想させたが、幸い美女軍団で良かった。
ハリウッドのSF映画に出てくるような奴だったら、この先の同行はごめん被る。
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