第41章 思わぬ展開②

 そこに、1機が降下して近づいてきた。機はそのまま手前に着地した。ゲバラはすぐに発砲できるように身構えた。だが、その必要はなかった。


「その機に乗れ」

 また飛行体から大音声が聞こえてきた。


 言われた通り、ゲバラは開いた搭乗口に乗り込んだ。ゲバラを乗せた機は上空に飛ぶと飛行体の横腹に大きく開いた口に入っていった。自動誘導されて前に進んだ機は、周りが無機質な形状の発着場に止まった。


「外に出ろ」

 今度は低い声で命令された。


 その声に従って降りると、銃を構えたロボットたちに周りをぐるりと囲まれた。


「ついて来い」

 ロボットの間からリーダーと思われる奴が前に出てきて、声を投げてきた。


 そういつはアンドロイドのような男だった。いや男か女かはわからない。そもそもAIの世界では、人間のようにあえて男と女を分けて造る必要などないのだ。人間に混じって活動するスパイ工作員以外は。 


 喋ってきたそいつは、アンドロイドにしては顔が、ひどく不細工だった。さしずめ中国の変面のような人相だ。


 大王が支配している地域が元中国なので、そういう顔にしたのか? と変な想像をしていると、手招きされた。言われた通りに、背後をついていくと指令室と思われる場所に、巨人のような男が立っていた。背丈が2メートル50センチはありそうな奴が、窓の外を見ていた。

 そいつが振り向いた。

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