第41章 思わぬ展開①

 数で劣るガイガーの戦闘機たちに、ゲバラを攻撃する余裕はもうなかった。攻撃をするどころか、ガイガーの戦闘機たちは撃墜されまいと防戦一方になった。


 その空中戦の間に、ゲバラは飛んでくる流れ弾を避けながら地面に着地し、森林の中に身を隠した。耳には撃破される音と、地面に激突する爆破音が聞こえていたが、しばらくすると何も聞こえなくなった。すぐさま上空の様子を窺うと、空には大王の戦闘機だけが留まっていて、ガイガーの戦闘機は消滅していた。そこに100機近い戦闘機を従えて、巨大飛行体が南の方角から現れた。


「どこに隠れているのかわかっている。殺しはしない、出てこい」

 飛行体から大音声が聞こえてきた。


 ゲバラは、その殺さないと言った言葉を額面通りにはまったく信じていなかった。捕獲して拷問し、その後に殺すのは間違いないと思った。


 それなら、誰かを道連れにして死ぬつもりだった。道連れの相手は1人ではない。頭上に現れた巨大飛行体だ。腹を決めると、林を出て草原に立った。


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