第40章 AI覇権戦争⑦
戦況をひっくり返させたゲバラたちに、ガイガー軍は怒り狂ったように、四方八方から集中砲火を浴びせてきた。
「もう十分だ。全員、すぐに退却しろ! 何があっても絶対に引き返すな! これは命令だ!」
ゲバラは、まだ残っている部下たちに命令した。
ガイガーの戦闘機が撤退する7機を逃すまいと、追撃してきた。ゲバラは追撃してくる戦闘機に攻撃を仕掛けた。すると助太刀してくれた恩義なのかわからないが、なぜか? 大王の戦闘機たちも追撃する戦闘機に攻撃を加えてきた。3者入り乱れての激しい空中戦が始まった。特に戦況を変えたゲバラを殺害しようと、4機が執拗に攻撃してきた。
「まったくしつこい奴らだぜ」
ゲバラは攻撃をかわしながら、内陸に逃げた。海上に逃げれば、ガイガーの大軍がまだ残っているからだ。
「邪魔をしたあの戦闘機を追え! 絶対に逃がすな!」
ガイガーのアバターが2機のパイロットに、4機に加勢するよう命令した。
ゲバラはシベリアの湿地帯、山岳、森林帯を低空飛行で逃げ続けた。6機も執拗に後を追い、レーザー弾を発射し続けてきた。
「この俺を見くびるな。逃げてばかりじゃないぜ」
ゲバラは声を飛ばすと、急反転して1機を破壊し、2機目も撃墜した。
だが敵の数が多すぎた、反撃に遭い、ゲバラの機体も撃たれた。黒煙と赤い炎がボッと上がった。
ゲバラの体は、空中に飛んでいた。次のとどめの攻撃で戦闘機が撃破される前に、脱出したのだ。だが、4機が見逃すはずもなかった。全身をハチの巣にしようとレーザー弾を発射してきた。
ジェットブーツを履いたゲバラは、弾をどうにかかわし続けた。そしてレーザー銃を腰から抜き戦闘機に反撃した。だが戦闘機の特殊な鋼板に跳ね返され、かすり傷を負わせることもできなかった。さらに2機が現れた。ガイガーの新手だ。生身では1機と戦うのが精一杯なのに、これでは確実に殺られる! と思ったそのときだった。そこにレーザー弾が飛んできた。だが、狙っていたのはガイガーの戦闘機だった。
撃った方向に眼をやると、大王の戦闘機たちだった。20機近い戦闘機がこちらの方に前進しながら、ガイガーの戦闘機に発砲していた。
戦闘機同士の激しい空中戦がまた、ゲバラの周りで始まった。
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