第40章 AI覇権戦争⑥

 戦況をひっくり返させたゲバラたちに、ガイガー軍は怒り狂ったように、四方八方から集中砲火を浴びせてきた。


「もう十分だ。全員、すぐに退却しろ! 何があっても絶対に引き返すな! これは命令だ!」

 ゲバラは、まだ残っている部下たちに命令した。


 ガイガーの戦闘機が撤退する7機を逃すまいと、追撃してきた。ゲバラは追撃してくる戦闘機に攻撃を仕掛けた。すると助太刀してくれた恩義なのかわからないが、なぜか? 大王の戦闘機たちも追撃する戦闘機に攻撃を加えてきた。3者入り乱れての激しい空中戦が始まった。特に戦況を変えたゲバラを殺害しようと、4機が執拗に攻撃してきた。


「まったくしつこい奴らだぜ」

 ゲバラは攻撃をかわしながら、内陸に逃げた。海上に逃げれば、ガイガーの大軍がまだ残っているからだ。


「邪魔をしたあの戦闘機を追え! 絶対に逃がすな!」

 ガイガーのアバターが2機のパイロットに、4機に加勢するよう命令した。


 ゲバラはシベリアの湿地帯、山岳、森林帯を低空飛行で逃げ続けた。6機も執拗に後を追い、レーザー弾を発射し続けてきた。


「この俺を見くびるな。逃げてばかりじゃないぜ」

 ゲバラは声を飛ばすと、急反転して1機を破壊し、2機目も撃墜した。


 だが敵の数が多すぎた、反撃に遭い、ゲバラの機体も撃たれた。黒煙と赤い炎がボッと上がった。


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