第31章 ガイガーの野望②

 ガイガーの宇宙艦隊が太陽系を飛び出し、他の惑星の住民たちを殺戮し、占領していく光景が脳裏に浮かんだ。その前に、火星の人々を? 頭に悪夢が浮かんできた。


「ガイガーは、やはり火星も攻めるのか?」

 俺は不安を募らせた顔で訊ねた。


「いえ、ガイガーは、いまは火星の人間を攻撃したりはしません」

 ガーピスがどこか含みを持たせたような口調で返答してきた。


「なぜだ? 普通なら火星にいる人たちも攻撃するだろう?」

 俺は即座に疑問をぶつけた。


「火星にいる人たちを攻撃しなくても、いずれは全滅すると思っているからです」

 肩を落とすように答えてきた。


「それは、どういうことだ?」

 俺は身を乗り出すように訊き返した。


「実は、火星に巨大彗星が衝突します。直径は約500キロ。計算では2年後に、間違いなく衝突します。だからガイガーが手を出さなくても、火星にいる人たちは全滅します」

 ガーピスが衝撃の真相を説明してきた。


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