第30章 竜司の死を、絶対に無駄にはしない①

 息子がなぜ死んだのかを知った俺は、がっくりと膝を崩し、床に腰を落とした。


「竜司……」

 俺は堪えきれず慟哭した。


 竜司が消えた先を見つめたまま、涙を流し続けた。涙目には、園児に戻った竜司と恵美の愛らしい姿が、フラッシュバッグしていた。


「ばかやろう! 子供が親より先に死にやがって。おまえ、一番の親不孝だぞ! 子供が先に死んだら……」

 言葉が続かず、唇を震わせ嗚咽を漏らし、涙を流し続けた。


「竜司……なぜ……なぜ、し、死んだ……ばかやろう!」

 声を絞り出して絶叫し、涙を流し続けた。


 俺が生き返る一番の目的は、癌を治し、元の元気な姿で竜司たち家族と共に過ごすことだったのに。


「竜司……」

 声を震わせ、涙を床に落とし続けた。


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