第22章 地底基地④
足を動かしながら改めて周囲を見渡した。着陸した場所の右半分は格納庫だろうか? 自分たちの命と引き替えに、俺を助けてくれた6機と同じ型の戦闘機が、奥までずらりと駐機してあった。真上を見上げると、円筒形の吹き抜けが続いていた。だが天井は薄暗いせいもあって、どこまで続いているのかまったく見えなかった。
「こっちよ」
アマールが初めて柔和な口調で手招きしてきた。
世界のトップモデルのように背筋をぴんと伸ばし、先を歩くアマールのすぐ背後に金魚の糞のようについて、俺は周りをきょろきょろと眺めながら歩いた。てっきり一緒に行くものと思っていたカストロは、後はよろしく、とでもいうように挙手で合図をすると1人格納庫の方向に去っていった。
しかし人々が、いやヒューマノイドたちがまったく見当たらない。少なくとも戦闘機を操縦するパイロットたちがいるはずだが。アリーナと並んで壁の前に立つと、シースルーエレベーターが降りてきた。目の前に止まると、ドアがスーと音もなく開いた。俺たちはエレベーターに入った。シースルーなので外観は丸見えだ。すると上昇すると思ったら、降下を始めた。この下にはマグマがあるぞ! その心配は必要なかった。
ドアはマグマに行かずに、ほんの数秒で開いたからだ。ドアの先に広がる光景に、また驚かされた。
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