第22章 地底基地③
円盤の外は大丈夫かもしれないが、機内が超高温になりアルミ料理の魚や牛肉のように調理されやしないか、と心配していたが、室内温度は少し上がったぐらいでボイル焼きになることはなかった。
マグマのダイビングを始めてから1時間は経っただろうか、実際には数分だが、円盤が上昇を始めた。さすがに耐熱の限界がきたのか? いや、そうではないようだ。マグマを飛び出すと、巨大な洞穴に入っていた。さらに洞穴の洞道へと円盤は飛んでいった。
すると、すごく頑丈そうな巨大な扉が見えてきた。円盤が扉の前に近づくと、自動ドアのように扉が開いた。そして円盤が中に入ると扉が閉まった。さらに奥に進むとまた扉があった。その扉に近づくと、今度は四方八方から何かを吹きかけられていた。それは高熱になった円盤のボディを冷やすためだった。そして冷却が終わると扉が開き、円盤は遠隔操作をされて中に入っていった。遠隔で入るのは、なりすましの敵を排除するためだ。
そこに広がる光景に、俺は思わず眼を見張った。高熱のマグマが流れる同じ地底内とは思えない異世界が広がっていた。
いきなり他の惑星にでもワープしたかのような、思いに駆られた。どうやらここは地下基地のようだが、あの色彩の乏しい地上の無機質な建造物と違って、色鮮やかな不思議な空間が広がっていた。
「この地下基地は、地上を支配しているAIの悪魔たちと対抗するためのものよ」
アマールの説明が終わると、円盤は離発着場のような広場に着陸させられた。
「さ、降りるわよ」
その言葉に続いて後部ドアが開いた。そして、アマールがお先にと降りていった。
俺も、言われるまま後について降りた。
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