第21章 予想外の仲間②

 本当に俺は、助けてもらっているのか? 俺の心に疑念が、ますますふつふつと湧いてきた。別に俺はどちらかというと疑い深い人間ではない。このあまりにも異常すぎる世界にいきなり放り込まれて、必然的に警戒心が強くなっているだけだ。俺は、むしろ騙されやすい性格だ。特に、外人の美女には。


 やはり、俺はAIたちに騙されている? 頭の中で自問自答した。いや、そうではないようだ。アマールの右腕が眼に入った。殺されるとの恐怖心で気づかなかったが、彼女は撃たれた肩だけでなく、左腕も負傷していた。それに、美しい顔にも打撲痕や擦り傷痕があり、人間ならまともには動けそうもないほど、ひどい状態だった。

 それを眼にして、俺の疑念は完全ではないが、頭から消えていった。そもそも俺を騙すために、こんな大掛かりな芝居をする必要が、どこにあるというのだ?


「ゲバラはどうした?」

 カストロが前を向いたまま訊いてきた。


「わからない。ゲバラはわたしたちを助けるためにSGロボットと戦っていたけど、途中ではぐれてしまった」

 アマールが首を振るように答えた。


 そうか、あの怪物ロボットはSGというのか。ところで、そのSGとはいったい何の略なんだろう? まさかあのSとⅯ? するとGは、あれか? まあ、いまはどうでもいいことだが。


 また湧いてきた、くだらん妄想を追い払い、周りに眼をやった。


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