第15章 マネキン女は敵か?味方か?③

 そこに、ドドーン! という鼓膜を振るわせる爆発音が何度も聞こえてきた。

また誰かが、戦争でもおっぱじめたのか? 爆発音は、この部屋の壁まで破壊しそうなほど、ますます大きくなっていた。すると一瞬、目潰しにでもあったかのように、部屋中が真っ白になった。と同時に何かが破壊される音が聞こえた。後で知ったが、マネキン女が室内の監視カメラを破壊した音だった。それと電源を落として暗くしただけではカメラに映像が残るため、閃光を放ったということだ。


「さ、ついてきて!」

 今度は、目玉に文字を描かず、声を出して促してきた。


 いったい何が起こっているのだ? 何が何やらまったく理解できないまま、ベッドからすぐに降りて女の指示に従った。


 驚いた! 中年男の肉体とは思えないほど、下半身がすごく軽かった。いや若い頃、スポーツをするのが大好きだったときでも、こんな経験など一度もない。まるで自分が、別人になったような気分だ。


 女の予想外の行動に驚いて、すっかり忘れていたが、そうか俺の肉体は改造されていたのだ。


「さあ、急いで!」

 俺は女の声にケツでも叩かれるように、改造人間になった体を動かし、ドアの外に飛び出した。


 これからどうなるのだ!? 本当に助けられているのか?

 疑心暗鬼のまま、女に従った。

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