ユイの日記小説

@yui_writenovel

注射痛かった?

 今日、私は新型コロナウイルスのワクチンを受けに行った。

注射ブースに入ると、40代の女性の先生が私の担当だわかった。

挨拶や消毒を済ませると、先生は注射器を持って私にこう伝えた。

「注射は痛いけど我慢してね」

「はい、覚悟はできています」

私は注射が怖かったので、事前にワクチン接種の情報を集めており、どれくらい痛いかのシミュレーションをしていた。

そのため、注射する際には十分覚悟はできていた。


 そして、先生は私に注射をしてくれた。

注射は思ったより痛くはなく、毎年受けているインフルエンザの予防接種とあまり変わらないという印象を受けた。

私が一安心していると、先生はまた私に話しかけてきた。

「注射痛かった?」

「あまり痛くなかったです」

痛くなかったと言っている私に、先生は食い下がってきた。

「本当に?腕の筋肉がピクッとなっていたから痛いのかなと思ったよ」

「いえいえ、本当に痛くなかったです」

「そう、なら良かった。お大事にね」

私は先生にお礼を告げ、ブースを後にした。

 

 ブースを出て数秒歩くと、左腕に激痛が走り、つったような状態になった。

痛みが数秒遅れてやってきたのだ。

あまりの痛さに私は涙目になり、心の中で先生にこう伝えた。

「先生、やっぱり注射痛かったです。あと、私の腕に付いているのは筋肉ではなく脂肪です」

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