第14話 最高のプレゼント

次の日、精密検査などを終え、数日後私は退院をした。





プップー…



車のクラクションが鳴り、振り向く視線の先には運転手側に見える高希の姿。





ドキン…




「…高希…」




気付けば彼を呼び捨てにしていた。




「憐花」





ドキッ


改めて名前を呼び捨てにされ胸が大きく跳ねた。




「退院おめでとう!良かったら出かけない?」





ドキン


話し方が違う彼に気付き胸が高鳴る。


私は車の方に歩み寄る。




「ねえ、今、憐花って言った?」

「いいえ」

「嘘!退院早々、意地悪するの辞めてくれる?」




クスクス笑う高希。




「さあ、乗って!そういう憐花こそ俺に意地悪するじゃん!」


「それは…ていうか、やっぱり名前…」




微笑む高希。




ドキン


胸が高鳴る。



「何処か、リクエストない?」

「そんなのないよ。…だって…突然過ぎるから」

「じゃあ、俺任せで良い?」

「良いよ。退院祝いか何かでしょう?」

「まーね」




前とは違う会話。


前から時々、敬語抜きの会話に気付いていたけど、その話し方は、ある意味嬉しいのと反則だって―――



でも距離が縮んだ感じもするけど――――




車を走らせる高希。




「憐花、海好き?」

「うん、好きだよ」

「そう?」




車は海に向かって海沿いの道を車は走る。


海につくと砂浜を歩く私達。




「ねえ、憐花、聞きたい事があるんだ」


「えっ?何?」



足を止め振り返る。






「憐花が、前に俺に好きって伝えた言葉、今はどうなの?」




ドキッ




「…えっ…?それは…好きだよ。…でも……26歳の私じゃ相手にならないでしょう?」


「じゃあ…俺が憐花にキスした理由は?」


「…えっ…?…それは…そ、そんなの知るわけないよ!私は…あの日…高希とはつりあわない。もう無理なんだって……」



「………………」



「第一…私…すぐに30歳だし、既におばちゃんだけど…更に年取って、正直、結婚目前の良い年齢だし嫌気差してくるよ!だから恋愛対象にならないでしょう?今ここで高希の口から、嫌いなら嫌いってハッキリ言って!」


「…俺は…正直、憐花の事故現場を目の当たりにして、また失うのか?って…怖かった…」



「………………」



「憐花が事故って、すっげー怖くて…要約恋する気になったのに…それなのに…俺の目の前で………」


「…高希…」


「…俺の前からいなくなんなって…もう最愛の女を失いたくないって、そう思ったよ!」




ドキン




「…高希…でも私…26だし、すぐに30になるし…だから…高希には高希にあった相応しい人を見付けて欲しいよ!」


「例え憐花が、そう言った所で俺は引くわけないよ!俺にとって憐花は最高の女なんだよ!」




ドキン


胸が大きく跳ね涙がこぼれそうになる。





「憐花が、俺の最初で最後の女であって欲しいんだ!」




私は涙がこぼれた。




「年上とか年下とか、そんなの抜きにして俺に正面でぶつかって来なよ!俺を一人の男として君だけを愛していくって、そう決めたんだ!」




歩み寄る高希。



スッと私の手を取り、左手の薬指に指輪がはめられた。




ドキン




「イブの日…渡すつもりだったんだ…結婚前提で俺と付き合って欲しい……俺もイブの日賭けてたんだ」




「………………」




私は高希の胸に飛び込んだ。




高希は抱き寄せた。



ドキン…




「憐花…26歳は相手にならないとか、すぐ30になるから恋愛対象にならないっていう考えは捨てて。つりあわないという理由も。俺、好きになったら全然気にしないから」



「高希…」



「何があっても、憐花の事、ずっと愛し続けていくから!だから、俺の傍にずっといて!」


「…高…」



名前を言い終える前にキスで唇を塞がれた。


そして、すぐに唇が離れ角度を変え、何度も何度もキスをくれた。


その後、ホームパーティーをした。







END










































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