第15話 野良犬再び
「野犬が増えたから気を付けろって言われても、実際なにをどう気を付けたらいいんだろうな」
「刺激しないようにするくらいしか思い付かないよなあ」
ある月曜日の朝、全校集会で『最近近隣で野犬の出没が多数報告されており、実際に小学生が襲われそうになったりしているので気を付けるように』との連絡があったのだが、そもそも五星学園は盤馬市の他の学校に比べたらかなり山奥にある部類なので、野犬含む動物が校内に入ってくるのはまあ仕方ないだろう、という認識の学生は多い。どう気を付けるべきか分からないとこぼす一馬と翔もそういう学生のうちの2人だ。その上過去に学校に居着いていたハナコはマスコットのようなポジションに収まっていたため、危険と言われてもあまり実感が湧かないのが多くの生徒の本音だった。
ここまで内容の薄い15分ならもう少し朝食をゆっくり食べたかった、とこぼし、固まった四肢を伸ばしながら、一馬は体育館から翔とともに引き上げた。
「…なあ野良チワワって見たことあるか?」
「バカも休み休み言って」
午前中の授業も何事もなく終わり、窓から外が一望できる食堂のカウンター席では2年生一同が昼食中だ。その折に卓が校庭をよろよろと歩く小型犬のような影を見つけ翠に声をかけるが、彼女の返事は実に素っ気ない。
「でもホントに校庭にちっちゃい犬いるよ?」
見て、と波瑠が翠の肩を叩き窓の外を見るよう促す。
「…ほんとだ」
「でしょ?」
「なんでお前井上に対しては素直なん?」
なあなんで?という卓の問いかけを右から左へ受け流しながら、翠と波瑠はその野良チワワとやらを見つめている。
「どこかの家から脱走したのかな」
「そうなんじゃない?チワワみたいな小型犬って室内で蝶よ花よみたいな勢いで溺愛されてるイメージあるし」
「捨てるってのは考えにくいし、それに今それやったら捕まるやろ」
卓の言う通り、近年ますます『ペットの一生に責任を持つ姿勢と覚悟の欠如した人間』への視線は厳しくなっており、動物を捨てたことが判明した場合それなりの額の罰金を取られることもある。またショッキングな映像で動物を捨てることでその後起こりうることを伝えるテレビCMも増えてきていた。
「迷い犬ならなおさら飼い主探さないと…あれ?」
野良チワワ以外の何かに気づいたらしい波瑠の視線の先には、四つ足の影が2つのそのそと歩く姿があった。
「もしかして今朝話があった野犬…?」
中型犬ほどの大きさとボサボサの毛並みをした野犬2頭は、その野良チワワを見つけると加速し始める。
「あかんあかんあかん!!」
「食べられちゃう!食べられちゃうよ!」
卓と波瑠が窓の外を見ながらうろたえる。
野犬の気配に野良チワワもどうやら気づいたようで全速力で逃げ始めるが、体の大きさと体力の差は覆せず、距離がどんどん縮まっていく。
「狩野なんとかできひん!?」
「なんであたし!?」
「狩人やろお前!」
「下級悪魔に憑かれてるわけでもない生き物に矢向けんのさすがに嫌なんだけど!?」
翠の意見は正論そのものだ。ああなってしまったら殺すしかなかったのでハナコの時は仕方なしに矢を向けたが、今回は追い払いさえすれば済む相手で、殺すべき相手ではない。
2年生トリオが食堂で右往左往していると、なにやら昇降口方向から黒い影が3つロケットスタートを決めるのが見えた。
――ナベリウス3兄妹だ。
3兄妹はそのまま野犬2頭を猛スピードで追いかけ回し始める。速さでも力でも敵わないことを察した2頭は、学園の外に向かって走っていった。
野犬たちが近づいてこなさそうなのを確認してから、3兄妹より少し遅れて出てきた海生がそのまま野良チワワを回収する。
「ホントに食べられちゃうかと思った…」
1年生たちによる野良チワワ救出劇を見届けた波瑠は、もともと座っていた椅子に再びへなへなと座りこんだ。
「ここまでやっておけば、後はしばらく休ませれば大丈夫だと思うんだけど…」
段ボールと穴が開いた枕で作った即席ベッドに横たわる野良チワワを、ブエルが治療しながら言う。チワワはというと呼吸は落ち着いているもののぐったりしていた。
「こいつ首輪してるぞ」
「じゃあ普通に迷い犬か。かわいそうになあ…」
迷子になって、ベッドタウンにしては辺鄙なところまで流れ着き、挙げ句野犬に追いかけ回され、一生分の波乱をこの数日間に一気に経験する羽目になっただろうチワワに、一馬と翔は同情に近い視線を向ける。
「目を覚ましたら、まず飼い主をどうにか探して連絡とらないと。病院に連れてくにしても、その子の持病とか分かってるのも、診察券持ってるのも、飼い主なんだし」
変身を解除した海生が、再度即席ベッドを覗き込む。
すると先程まで動くに動けぬ状態だったチワワが、キューン…というかわいらしい声を出しつつ身じろいだ。そしてゆっくり目を開けると、多少覚束なさはあるものの立ち上がり、大きな欠伸をひとつする。
「ああーひどい目に遭ったぜちくしょう…」
野良改め迷いチワワは目を覚ますなりアニメのマスコット動物のような甲高い声で、「チワワはそんなこと言わない」とぼやきたくなるような台詞を吐く。
「まったく野犬の分際でこの俺さまを追いかけまわしやがって」
「おいこの犬しゃべってるぞ!」
遼一が驚きの叫び声をあげると、迷いチワワは天井を見上げる格好になり、即席ベッドを取り囲む6人の人間の顔をぐるりと見回した。
「なんで人間がこんなにいるんだ!?」
「ここが学校って場所だからだよ!それよかお前はどっから来たんだ!」
「名前は?飼い主さんはどんな人?」
遼二と瑠三がチワワからあれこれ聞きだそうとするも、当のチワワは自分を見下ろす沢山の人間に驚いたのか、その場でぐるぐる回っている。
「なあこれさあ…」
「多分理事長のクロミちゃんと同じだ…」
一馬と海生が顔を見合わせつつ言うと、他の1年生4人もだろうな、という表情を浮かべる。
理事長のペットである猫のクロミは、72柱のうちのひと柱であるアイムを宿している影響で、語尾に「にゃ」はつくものの人間の言葉をとても流暢に話せるようになっている。高位の悪魔にかかれば、憑依した相手が動物だろうと人語を解し話すくらいは折り紙で鶴を作るより簡単にできるのだが、下級悪魔の場合はこうもいかないのだ。
ぐるぐるすることに疲れたのか、今おかれている状況を把握できたのか、チワワは少しずつ落ち着きを取り戻し、瑠三の『名前はなんだ』という質問に答える。
「俺さまのことが知りたいか…ふっふっふ、聞いて驚け、虎五郎(とらごろう)という名のチワワは仮の姿…しかしその実態は、偉大な72柱の悪魔がひと柱、グラシャ=ラボラス様だ!覚えとけよ人間!」
「…チワワにつける名前じゃねえだろ」
「あんまり言いたくないけど、飼い主さんのネーミングセンスさあ…」
「名前以外の不満も積もり積もってたんだろうな」
「あーだからお前脱走したのか」
「なんだよ!驚けっつっただろ!」
自分を72柱の悪魔がひと柱・グラシャ=ラボラスだと言い張るやたら強そうな名前のチワワは、その名前にばかり言及する翔や軽部兄妹にストレートに不満をぶつける。
「この学校の生徒も先生も、みんなお前みたいに72柱の悪魔を宿してるから、そこに驚く奴はここにはいないと思うぞ」
一馬の一言に、虎五郎は元々まん丸な目を更に丸くした。
「そんな都合のいい場所があんのか!?あとまさか俺さま以外の全員いたりすんのか!?」
「さすがに全員ではないけど、今この部屋にいるのは、アムドゥシアスと」
「ブエルと」
「アンドラスと」
「ナベリウスだ」
一馬の後に続いて海生、翔、遼一が虎五郎に語る。その後一馬は先輩にシャックス、レラジェ、ウェパル、アミーが、後輩にザガンやクローセル、サミジーナなんかがいると付け足すように言った。
「まあ生徒でかつ分かる範囲となるとこれくらいかなあ。あとお前のこと野犬から守ってくれたのはナベリウスで、介抱してくれたのはブエルだから、しゃべれるならちゃんとお礼言えよ」
「ありがとよ。マジで食われるかと思ったぜ」
虎五郎は海生と軽部兄妹の方に向き直り、ぶっきらぼうな礼を述べる。
「いいのいいの、元気出てきたならよかった。…それで本題に入ろうと思うんだけど、あなたの飼い主はどんな人なの?答えられる範囲で教えてほしいんだけど…」
海生が虎五郎に飼い主のことを聞き出そうとする。いずれにしても飼い主に連絡をとり、彼を引き合わせなくてはいけないのだが、虎五郎が人語を解するなら話は早い。案外早くことは解決するかもしれないとその場にいる全員が思ったが、どうもそう甘くはないことが彼の台詞で判明した。
「あんな奴らもう関係ねえし、思い出したくもねえし、名前すら口に出したくねえ。今の俺さまは天涯孤独だ」
そこまで飼い主に愛想を尽かすようなことがおそらく虎五郎の身に起きたのだろうことは分かったが、これで完全に身動きが取れなくなってしまった。かといって学外に助力を求めても、このチワワに72柱が憑いているとなるとこちらの立ち回り方が一気に難しくなる。
「どうしよう…」
海生が不安を前面に出した表情で他の1年生達の顔を見る。
「学外の人が絡むことだから俺たちだってそこまで勝手できないよ。大人を頼ろう」
全員内心ではそうするしかないと思っていたのか、一馬の提案に異論は全く出ない。かくして虎五郎、もといグラシャ=ラボラスの今後について、学園いち頼れる大人の助力が得られることとなった。
「まさかクロミと同じパターンの奴にまた出会うとはなあ…」
理事長が即席ベッドにおとなしく座っている虎五郎を見てつぶやく。
大人を頼ろうという結論を出した後、一馬と海生で理事長を呼びに行った。通常なら学生側から虎五郎を連れて出向くところだが、基本的に理事長室にいるクロミと喧嘩になっては困るので、申し訳ないとは思いつつ理事長の方から来てもらうことにしたのだった。
「猫の頭の女神を起源にもつアイムが猫に憑依するんだから、犬の姿で現れるグラシャ=ラボラスが犬に憑依するのもまあ自然なことなんだろう。それで彼の今後だけど、今のところ飼い主については何もわからないってことでいいんだね?」
「だからしつけえって」
虎五郎はもはや『飼い主』という単語に対し脊髄反射を起こしていた。
「でも君をだれかが引き取ったり匿ったりする場合、飼い主に一度連絡しないと、最悪僕ら泥棒になっちゃうからさあ…」
余所のペットとして飼われていた生き物を連れ去った場合、発覚すれば窃盗罪が適用されることがある。今回のケースは連れ去りではないにしろ、立場と場所の特性上最悪の事態は避けておきたい理事長は、なんとか虎五郎に飼い主のことを聞き出そうとするが、一向に答えてくれる様子はなかった。
「だからあんな奴もうどうでもいいんだ…なんか急に暑いな」
虎五郎がそう言うと、教室内の他のメンバーもどうやらそう思っていたらしく各々羽織っていたものやジャケットを脱ぎ始める。
「今日は気温もあまり上がらないって話だったはずなんだけど…って校庭が燃えてる!?」
理事長が窓の外から校庭を覗くと、国旗掲揚ポールの辺りから横一直線に炎の壁のようなものができていた。その壁の向こうには、見事に全頭黒一色の大小さまざまな犬の群れが、壁の手前には、学内の生徒はもちろん国内の誰もが知る女優にして炎の美悪魔がいるのも見える。
「アミー!」
「ちょっと乱暴でごめんなさい!とりあえずこれ以上こっちに近づいてこないようにはしたんですけど…」
「ありがとう!多分犬は今朝連絡した野犬に下級の悪魔が憑りついたものだから、万一接近されたら無理せず逃げてくれ!」
悪魔に憑りつかれ狂暴性が増し体も大きくなるとはいえ、やはり獣の本能ゆえか炎は怖いようで、黒一色の野犬の群れはそれ以上校内に近づけず、同じ場所をぐるぐる回ったりと力を持て余しているようだった。
「けが人が出た場合の治療はブエルに、炎の壁を突破された際の接近戦はアンドラスとナベリウスに頼もう。アムドゥシアスは前衛のサポートだ、いいね」
理事長は虎五郎の入った即席ベッドを抱えながら1年生6人に役割分担の説明をする。指輪の力を抜きにしても学内いち頼れる大人なのだが、実際にてきぱき指示を出す姿を目の当たりにすると頼もしさが5割増ほどに見える。
「…あいつとあいつだ!さっき俺さまのこと散々追いかけまわしたやつ!」
もはや大きさ以外の区別ができなくなった黒い犬の群れから、虎五郎が自分を追いかけまわした野犬2匹を見つけ出す。
「なあそこのちょっと老けた人間!」
「それはそうだけど実際言われると心にくるな!?」
虎五郎は即席ベッドを抱える理事長を見上げると、ある懇願をする。
「俺さまを追いかけまわした不届きものへの落とし前をつけさせてくれ。グラシャ=ラボラス、出力全開でいくぜ!」
理事長は一言「わかった」というと、懐からソロモンの指輪を取り出す。そして人間や他の生き物に憑依している72柱の悪魔の力をフルに引き出すための呪文を唱えた。
「72の偉大なる悪魔がひと柱よ、我が声を聞け、我が意に従え!序列25番、グラシャ=ラボラス!」
「みなぎってきたぜええええええ!!」
そう叫ぶ虎五郎の入っている即席ベッドを、観光地のSLから出るようなおびただしい量の煙が包み込んだ。鼻が曲がる!と言いながら、遼一がそのそばから全力で離れていく。
煙が晴れると、そこにチワワの姿はなく、騎士のような甲冑を着こみ、飛行機のような翼を持った巨大な犬が立っていた。
「ひゃっほーう!」
グラシャ=ラボラスは翼の下から打ち上げられたばかりの宇宙船のようなバーニアを噴き出しながら、校庭に向け飛び立っていく。
「なにあれ飛行機?」と驚くアミーの頭上を越え、あっという間に炎の壁の向こう側までたどり着くと、その場でホバリングを開始する。
「俺さまをあんな目に遭わせたこと、後悔させてやんぜ!」
グラシャ=ラボラスがそう叫んだ瞬間、甲冑の各所が自動ドアのように開いていく。
「なんだあれすげえな、メカ?」
「あいつ実はめちゃくちゃ精巧なペットロボだったりするのか?」
「そんなわけないでしょ」
遼一と遼二が瑠三に辛辣なツッコミを入れられているその間にも、戦闘機の様相になったグラシャ=ラボラスは何やら充填を開始し始める。
「全員まとめて木っ端みじんだ!!」
その瞬間、四方八方にロケット花火のようなものが飛び出していく。そしてそれは野犬の群れまで飛んでいくと、ロケット花火のそれでは済まないような爆発音を上げた。
20回ほど爆発音がした後には、校庭にいたはずの黒い野犬の群れは、跡形もなく消え去っていた。若干血の匂いもするのを考えると、本当に骨すら残さず木っ端みじんにしてしまったのだろう。
「…こわ…」
「グラシャ=ラボラスは血と殺戮をなにより好むというが、ここまでとは…」
引きつった顔で恐怖感をあらわにする一馬に、理事長も同意するかのようにつぶやく。
グラシャ=ラボラスは再び教室方向へ飛来すると、変身を解きもとのチワワの姿に戻る。少し遅れて同様に変身を解いた火耶が教室に入ってきたが、「本当にさっきの全部このワンちゃんがやったの?」と不思議そうにするばかりだった。
「いや校庭が燃えてたから何事かと思ったら、戦闘があったのか…」
「ずいぶん派手にやったな」
バケツを持った国語教師の女川と、体育教師の別所(べっしょ)が、理事長とその傍らの虎五郎に話しかける。先ほどアミーが作った炎の壁はウェパルの力で大部分は消せたものの、まだ一部が燃え続けており、そういった部分は結局バケツリレーで消すしかなくなってしまい、今に至る。
「派手にやったのはそのワンちゃんですけど、炎の壁は私のせいです…ごめんなさい」
「まあそのおかげでけが人も出ずに済んだわけだから、ファインプレーだ」
自分の後始末は自分で、の精神でバケツリレーに参加する火耶と足元の虎五郎を気遣いながら、理事長も気合十分の腕まくりスタイルでバケツをどんどん送り出している。
「このちっこい犬がか?」
「ああ。野犬に追われてここに迷い込んだようなんだが、どうやらグラシャ=ラボラスを宿しているらしい」
「そうかそうか、迷い込んだのがここでよかったなあ!」
別所が大きな手で虎五郎の頭を撫でながら言う。その手に吹き飛ばされそうになりながらも、虎五郎は満更でもなさそうだ。
「ところでだけど、なんでこんな野犬が出るような山の中にいたんだい?」
理事長が『飼い主』という禁止ワードを出さないように、かつどうしてここにいたのかは聞き出せるように、戦闘前とは質問の仕方を変えて虎五郎に尋ねる。
「…捨てられたんだよ。もともと夫婦二人暮らしの家に一緒に住んでたんだけど、あいつら俺様のすごさが分からねえんだ。俺さまが72柱がひとりグラシャ=ラボラスだって言った瞬間態度変えやがって…ある日車に乗せられて、久々にピクニックかってわくわくしてたら山の中に置き去りだよ!ひどすぎるだろ!」
「つまるところ、正体を明かした結果気味悪がられてそのまま、ってことか…」
「…飼い主もひどいが、お前もちょっとうかつだったな」
「…」
女川はともかく別所のコメントにはぐうの音も出なかったようで、虎五郎は先ほどまでの勢いをすっかりなくしていた。
「まああれだ、学外で力を使う際は使いどころを考えるように、ってことだね」
理事長がそういうと、バケツリレーに参加していた生徒たちは「はーい」と元気のよい返事をするが、一人火耶だけが浮かない表情だった。
「…あの理事長、その学外で力を使うときは気をつけろって話なんですけど…私その、この間『見られちゃった』んですよね…舞台の共演者だった古河須磨さんに…あの後も結構立て込んでで、報告が今になってしまったんですけど…」
重ね重ねごめんなさい、と丁寧な謝罪をする火耶とはうらはらに、理事長はいつもと変わらぬ穏やかな表情を浮かべている。
「見られたのがその人なら、何も問題ないよ。だって彼女もそうだから。パンデモネアとしては多分国内最高齢じゃないかな?」
「…えっ?」
「えっ」
「うそでしょ」
「マジかよ」
火耶に続き、彼女の言う件の舞台を観に行った一馬、海生、翔も思わず驚きを言葉にする。理事長は理事長で、穏やかな表情のまま「そんなに驚くことかな?」と不思議がっていた。
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ソロモン72柱 序列25番 グラシャ=ラボラス
カークリノラース、カーシモラルとも。36の悪霊軍団を率いる地獄の長官にして伯爵で、グリフォンの翼を持つ小型犬の姿で現れるとされる。犬種にも言及があり、マルチーズともコッカー・スパニエルともいわれる。蝙蝠の翼をもつ中年男性の姿をとることも可能で、人間に技術や科学の知識を授けたり、友愛の感情を芽生えさせることができるとされるが、一方で血と殺戮を好み、人間に直接手を下すこともある。
虎五郎(とらごろう)
野犬に追われて五星学園に迷い込んだチワワ。もともとは夫婦二人暮らしの家の飼い犬だったが、自分の正体を軽率に明かしてしまったばかりに気味悪がられて学園近くの山奥に捨てられてしまった。
上記のグラシャ=ラボラスが憑依しており、変身すると甲冑を着こみ飛行機のような翼を持つ巨大な犬になる。挙動は戦闘機のそれで、高速で空を飛び回ったり甲冑から超小型のミサイルのようなものを発射することができる。
なお現在学園職員の引き取り手を探しているらしい。
パンデモウォーズ あらも @aramo_9
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