神様が与えた条件
神様が僕に与えた条件はというと「僕が必然的に
神様は最後に、こう加えた。
「貴方が丸1年現実世界を楽しむのは構わない。ただ1年しか存在出来ない。それはこの天国『死』の世界でも、だ。 貴方が現実世界に行ってそこが本当に楽しくて『帰りたくない』そう思うことだろう。 それは構わないのだが1年を過ぎると貴方の存在自体全てを消すことになってしまう。貴方がお母さんから生まれてその直後に死んでしまって…というその記憶も、貴方がその家族だったという事も。現実世界で生きる人間の記憶から綺麗さっぱり無くなってしまう。1年以内にこの世に帰ってくればそうはならない。ただもし現実世界を楽しみ、期限が過ぎてしまったなら──。決めるならそれは貴方が自分で選びなさい。分かったね?」
・・・と。───そう言われて来たのだ。
僕はもちろん、現実世界に来るまでは迷うことなく前者を選んでいた。
だけど君に出逢ってから自分自身に驚く事が本当に多かった。
まさか、本当に妹にベタ惚れするとは…
思ってもみなかったよ。
───今の僕はもう、後者を選んでしまっていた。
*
【僕が現実世界に来て半年が経った頃】
ある寒い冬の日───。
その時僕はまさか、と思った。
現実世界に来てまだ半年しか経っていないというのに僕を巻き込んだ事故が起こった。
死ぬにはまだ早くないか?!
と思ったが案の定死にはしなかった。
しかし、僕の身体が半分失われたというのが適切な表現だろうか。
その日から僕は思うように身体を動かせなくなった。
こんなことなら今からあの世に帰った方が自分自身楽なんじゃないかって考えも正直浮かんだけど、彼女が今まで一緒にいて僕に見せた事もない青白い顔でこちらに向かって走ってきて
「ねぇ?!大丈夫なの!!もう、心配したんだから、、心臓止まったよ、本当に、、!!」
と、僕を心配して怒ってくれて。
必死に僕に訴えてくる彼女を見た僕は、絶対にあの世に帰れなかった。いや、帰りたくなかった。
僕の
その後僕は決めた。
君が高校を卒業するのを見届けよう。
それまでこの世界で君と過ごそう。
どんな事があっても。
特別な思いが詰まる「卒業式」
僕は家族として。
兄として。
妹の晴れ姿を見届けたいと思ったからだ。
* * *
それから僕はこの事故に巻き込まれてからもうこの世界で生きていくのも後少ししかないかもしれない。と身の危険を感じ、その日から僕は
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