第7話 メガネクンと酔った私っ★


 自分の家に帰るのが面倒になり、真実の部屋に転がり込む。


 交互にお風呂に入って真実にベッドで寝ていいと言われて…。


 「シンジ…寒いから一緒に寝ようよ。」


 毛布を持ってソファーで寝ようとする真実に声を掛けた。


 

 真実とは一度エッチしたきりだった。


 それ以降何度か一緒に寝たことはあったが抱きしめられることはあってもそれ以上のことは無く…。


 

 「浅川…お前な…。」


 何か言おうとする真実の手を取りベッドに引っ張り込む。


 「なんか…寒くなると人肌が恋しくて仕方なくなるのはどうしてかしらね…。」


 真実に抱きつくと何も言わずにそっと抱き返してくれた。




 …寒くなると…寂しくなるのはきっと…この時期に唯一だった家族を亡くしたからかもしれない…。


 目を閉じると母の面影が蘇る。


 もうだいぶ薄れてしまったけれど…。


 女手一つで一生懸命育ててくれた…。


 私はだいぶ酔っていたのだと思う。


 気づいたら真実に縋り付いて泣いてしまっていた。

 

 「…。」


 泣いている私をあやすように真実はずっと抱きしめていてくれた。

 

 真実に抱きしめられ、ほっとしたのかいつの間にかに眠ってしまっていたようだ。



 



 朝、真実の胸の上で目が覚める。


 …あったかいな…。


 そのまま真実の上で二度寝しようと思ったら頭を撫でられた。


 …起きたの…気づかれちゃったかな…。


 「…おはよう…。」


 「…ああ。起きたか。」


 いい加減重いかなと思い真実の上から降りようとしたが優しく抱きしめられる。


 


 

 「浅川…オレと付き合ってくれないか?」


 真実がそんなことを言い出した。


 「は??」

 

 驚いてへんな声を出してしまう。


 もしかして…真実は律儀にもこの前の責任をとろうとしてくれているのかしら…。


 そのために好きでもない私と付き合う?冗談じゃない。


 「この前の事気にしてるの?あんなのお酒の勢いだし、気持ちよかったしお互いサマ。気にしないで。むしろ女の子ともできるって分かって良かったわね」


 「…?」


 ‥本当兄妹そろってお人好しだなぁ‥。


 「誰かと付き合うなんて…正直もううんざりなのよ。誰かと向き合うって…疲れるし…傷つくから…。」


 真実に見つめられる。


 「…真実…もし付き合ったり結婚したいって言うなら他の誰かを選ぶと良いわよ。もっと可愛らしい子いくらでもいるんだから。私はもう一度結婚に失敗してるし…。真実ならきっと…。でも練習したいって言うんならいくらでも付き合ってあげるから。」


 真実に借りたシャツを脱ぐ。


 「…やめろよ!…ごめん。そんな事お前に言わせるつもりじゃ無かった…。」


 真実に脱いだ服を着せられる。


 そのまま毛布を掛けられてその上からぎゅっと抱きしめられた。


 「セックスだけしてお前に悪いって最初は思ってたんだ。だけどお前と…浅川と過ごすうちに…。浅川といるとちゃんと楽しいんだって気づいた。透以外の奴といて一緒に居たいって初めて思えたんだ。」


 「…。」


 「それに…。酔ったお前に好きだって言われ続けて…オレ…だって…何も感じないワケないだろ?」


 …真実が赤くなって照れたように私から目を逸らす。


 「…はっ!?シンジ何言ってるのよっ!?」


 …そんな事…私が言うはず…ない。


 「…そう言うだろうと思って…ほら。」


 真実が差し出す携帯電話の画面を見る。


 画面に映し出されたのは…私と真実の動画だった。




 昨日の…真実のシャツを着ている私が真実に抱きついている。


 「…シンジっ好きっ…。」


 酔った私は真実に抱きつきながらその首筋にキスをしている…。


 「…んっ…浅川…。」


 真実も私を抱きしめてくれている。


 「…んっ…真実のこと…ずっと…好きだったのっ…。シンジっ好きよ?」


 画面の中の私は真実に愛を囁き続ける。


 「浅川…オレもっお前が好きだよ。」


 真実の喉仏にキスをした私…。


 「シンジっ…お願いっ…私のこと離さないでっ…。シンジが好きなのっ…。」


 「…浅川っ…んっ…。」


 真実の喘ぐ声…。



 



 ー真実が顔を上げて私を見つめてくる。


 「なあ浅川…俺はどっちの浅川の言うことを信じればいい?」


 真実に真っ直ぐに見つめられて…どうしようもなくなった。


 耳まで真っ赤になっていくのが自分でもわかる。


 「…っ。」


 「…まあどっちでもいいけど…浅川…俺お前が好きだ。」


 真実にぎゅっと抱きしめられる。


 「酔って甘えてくるお前は世界一可愛いと思うし、こうやって抱いてると幸せだと思う…。」


 真実が耳元にキスをしてくる。


 「んっ…。」


 背中がゾクゾクすりような快感…。


 「浅川はすごく可愛い…。好きだ…。」


 耳元で囁かれて…思わず真実に抱きつく。

 

 「先にセックスしておいて…順番逆だけど、俺と付き合ってください。」

 

 真実に抱きしめられて、気持ちが良すぎて…幸せで…涙が溢れた。



 

 

 


 

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イケメン社長を押し倒して…★ 青海 @oumu0001

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