死という存在について

 死という存在は私にとって腐れ縁の友人だ。

 その時が訪れる瞬間を考えると恐ろしいものではあるけれど、時々、生きることが辛いと感じる時はそっと寄り添ってくれる頼もしい存在でもある。

 

 死を思えば生きれる。おかしな話だけど、いつ死んでもいいんだと思えば、じゃあ明日までは生きてみようかなという気持ちになる。この世界にいることが疲れたらいつでもおいでと優しく手を差し伸べてくれる。疲れ切ってどうしようもなくなったら迎え入れてくれる場所がある、そう思うと不思議なもので身体の中から重たい塊がスッと抜けたような気分になる。


 けれど死はいつも優しいわけではない。きっとその瞬間は恐ろしいし苦しい。未知の恐怖を味わうことになるのだと思う。そしてやり直しは効かない、一度選んだら今の自分には戻れない。取り返しのつかないことが背中合わせになっていることも勿論知っておくべきだけど。


 死を忌み嫌うことは人間としての本能で当たり前かもしれない。けれど無理やり遠ざけたとしても生き物の常として避けることのできない現象なら、親しみを持って寄り添うのも悪くはないかもしれない。

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日々徒然 浅香ユミ @La-vida

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