第2話
屋敷の中には、30人程の人間が集まっていた。
そこには、色んな人間がいた。
ランドセルを背負った小学生の女の子や、スーツを着てるサラリーマン、まるでお相撲さんのような百貫デブ、妖艶な魅力を放つ女性。
中でも、異彩を放っていたのは、俳優の藤原虎児さん。
藤原虎児はギャンブル映画で有名になった、国民的スターであった。
そんな中、海藤に近づいてくる普通の中年の男性がいた。
「おお、兄ちゃん!
なんか辛気臭い顔してるのぉー」
「はは、、」
海藤は屋敷の煌びやかさに緊張しており、また
突然話しかけられて、上手く答えられず、苦笑いした。
「まあ、これでも飲みや!
戸村いうんや、わし
以後よろしくなあ」
そう言うと、缶のコーラを手渡してきた。
「あ、ありがとうございます。」
(カイジの船井か、トンパかお前は)
心の中でそう毒付いた。
念のため、コーラは飲まなかった。
「全員揃ったようですね。」
あの初老の男性が壇上に立ち、そう言った。
「では我々の主人に登場して頂きましょう。」
真っ白なスーツに身を包み、フルフェイスのヘルメットで顔隠した男が、フッと急にどこからともなく壇上に姿を現した。まるで瞬間移動のようだった。
「皆様、ようこそお集まり頂きまづた。
まずどんな願いでも叶える事をお見せしまづ。」
主人と呼ばれる、その男が指パッチンで指を鳴らすと、大量の金塊が現れ、もう一度鳴らすと大量の金塊が消えた。
また指を鳴らすと、バタンと初老の男性が倒れた。
「全員、彼の脈を測ってくだづい。」
初めに海藤が指名された。
恐る恐る脈を測ると、あるはずの脈が止まっていた。
トリックやマジック?
色んなことが頭を駆け巡るが
どんどん体温を失っていくリアルには何も考えられなくなった。
そして、全員が脈を測り終わった頃には初老の男性の顔色は真っ青になっていた。
その変化は、トリックやマジックの類ではないことは明らかだった。
もう一度指を鳴らすと、初老の男性は目を覚ました。そして何事も無かったかのように起き上がった。
確かに死んでいた。
この手で確かめた。
俺のばあちゃんも生き返らせられるのか。
色んな想いが錯綜して、鳥肌がたっていた。
そして、主人は改めて話し始めた。
「私は本当になんでも願いを叶えられまづ。
大衆の価値観や不老不死、なんでもでづ。」
「まあ、信じない人は今なら出て行って貰っても構いませづ。」
超常現象を目の当たりにした30人は誰一人その場から離れなかった。
「よろしいでづね。
では、まず皆さんには参加資格があるか確認するためにゲームをやって頂きまづ。
そのゲームはロシアンルーレットでづ。」
ロシアンルーレットって、あのロシアンルーレット?
「拳銃の回転式の弾倉に一個だけ弾丸を込め、弾倉を回転させ、自分の頭に銃口を向けて引き金を引くゲームでづ。」
「勿論、実弾を使用して頂きまづ。
では、始めるでづ。」
そう言い終わると、主人と呼ばれる男はその場から音もなく消えた。
すると、さっきまで脈のなかった初老の男性が、話し始めた。
「皆様、驚いたでしょうか。
あの方が我々の主人でございます。
超常的な力を持つ方で、あのお方に不可能はありません。」
「皆様には、いくつかゲームをクリアして頂きます。
そうすれば、願いを1つ叶えて差し上げるという流れでございます。」
ーーーーーー
「ここに人数分の34丁の拳銃がございます。
全ての銃に1発だけ弾丸を装填してあります。」
「では、1人ずつ、挑戦して頂きます。」
自称パチプロの無職が命掛けのギャンブル〜ロシアンルーレットで6回引き金を引いた伝説〜 @koukiman
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