第8話こんなつもりじゃ…

翌日を迎え、自宅を出て自転車に乗り、宇佐美家に向かう私。

その道中、胸中は複雑な想いが混在して、訪れようか断ろうかで悩んでいた。

彼女が告げるであろう言葉は、私を奈落の底へ突き落とさんとするものに違いない。

彼女が昨日見せた様子がそれをものがたっていた。


自宅に引き返したとして、彼女の本音を聞かずして延々と悩み続けるのもいつまで堪えられるか分からない。



どうか、どうか……




宇佐美家に到着し、自転車からおりた瞬間に足に力が入らずにぐらっとふらつき倒れかける。

自転車が倒れ、物音に気付いた宇佐美が自宅から飛び出してきて駆け寄ってくれた。

「由夏ぁっっ!?どうしたの?大丈夫、じゃないよね?」

「蛍……ごめん。足に力が、思うようにはいんなくって……」

「肩貸すから腕を——」

私は彼女に肩を貸してもらいながら、宇佐美家に上がる。


つくづく情けないよな、私って……




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百合を受け入れない彼女をものにしたい 闇野ゆかい @kouyann

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