86 開高健『日本人の遊び場』⑩脱線:遊びの予算は? その3
●「テクニランド」
テクニランドって何なの?
一般人も利用できるレース場です。クルマやバイクが趣味となると、二百エンではない(笑)
まるで外国のような雰囲気のレース場。お金の話よりその日本離れした雰囲気と世相との関係を活写した回でした。
●「ナイター釣り堀」
大阪は吹田にある日本最大のナイター釣り堀、”新からま池“です。
〈夕方五時から十時まで、三百エン。釣った魚は買い戻す。大助(大物のこと)のときは特別料金で買いもどすことになっている。〉
釣りの道具もレンタルできて、食堂もあります。食堂のメニューはキツネうどんやカレーライスですが、値段は書いてなくて残念。
●「軽井沢」
ハイソでお上品な軽井沢人種を開高健は好まなかったようで、かなりディスりが続いて驚きます(笑)
一日いくらの遊び代、の話題はなく、夏休みのアルバイト学生たちがどのくらいの金額を当て込んでいるのか書かれています。
〈この避暑地にはアルバイト学生があふれている。中華料理店で食事をしたら、ボーイが早稲田の法科の学生だった。学習院の学生がエレベーターをうごかした。スケートリンクにいってみると切符売場の兄さんが神奈川大学の学生だった。ほかの学生たちと同じように一日三百エンか四百エン見当で、避暑かたがた遊び半分に働いて軽井沢見物もかねて趣味と実益の一夏をすごそうという考えである。〉
二百円が一回のつましい遊びで必ず飛んでいく目安とすると、日当安いなあと思いますが住み込みとかなんですかね。そのあたりは書いてなかったです。
次回、「湘南の海岸」、少々お値段に関してボリュームがあるので今回は一旦切り上げます。
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