56 カバヤ文庫のはなし。②

https://digioka.libnet.pref.okayama.jp/mmhp/kyodo/kabaya/bunko/index.htm


https://digioka.libnet.pref.okayama.jp/mmhp/kyodo/kabaya/manga/index.htm


 カバヤ文庫、表紙がなかなかカッコいいのに挿し絵がヘロヘロだったり、今見るとクオリティのバラつきもキュートに見えてきます。


 また、タイトルも〈ジキルとハイド〉を『怪人二面相』にするなど、子供の興味を引くような工夫がされています。二十面相の親戚みたいになってますけど、読むときちんとしたダイジェスト版の〈ジキルとハイド〉です。


 読み物としての質は高く、子供文化の歴史上重要視されているのも納得です。読書への興味に応えられる内容なのです。


 ただし、おまけなので携わった著者、画家の名前がなくそのあたりは明らかではありません。


『おまけの名作 カバヤ文庫物語』を参照すると、カバヤ文庫企画者の原敏の証言では、大学院生や高校教師が執筆していたということで、芥川賞作家の五味康祐もその中にいたそうです。また、劇作家の沖野杏子も参加していたということです。


 カバヤ文庫の著者については『小学館の学年誌と児童書』(2015)で著者の野上暁が、原敏が同志社大学出身なので、その周辺の人脈なのではと推測しています。


 続きます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る