46 これ、時間がなかったのかなあ……①
流行小説の時代、売れっ子作家は時間がなかったんだろうなあ。読んでいてそう思わざるを得ない時があります。
国枝史郎、また兄弟で一人の女を取り合う話なんだなあ。
とか。
これ、映画を見て原作読んでないけど富田常雄のこの現代もの、『姿三四郎』みたいなわがままお嬢様と庶民のヒロインとの三角関係やるんだなあ。原作でもそうなのかなあ。
とか。
藤子F先生の、ダメ主人公、いじめっこ、お金持ちでイヤミなやつ、みたいな独自のほぼ専売黄金パターンを完成させているのを見つけた時に、ちらりとそんなことを思います。たくさん書く上で合理的だし受けたパターンなら読者も喜ぶし。
とはいえ雑誌が大量に刷られて次々売られていた時代は、一人の流行作家を一作も逃さず読むようなことって、おそらくほとんどされてなかったんじゃないかな。読者も毎日仕事に雑事に忙しい庶民ですし。
暇潰しに雑誌を手に取った時にたまたま載っていて、そのうちいくつかが作家自身の編み出したパターンに乗った展開でも、そんなにワンパターンが鼻につくほどじゃなかったのかもしれない。
という話をしておきながら、本題は作家の黄金ワンパターンの話ではありません。……と思ったら、なんだか、長くなってしまいました。
次回に続きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます